【留学体験記】カナダの中高校生活5年間 | 息子が語る、成長と挑戦の物語

はじめに
こんにちは!2019年に、当時Grade9(中学3年生)の娘とGrade8(中学2年生)の息子、そして愛犬と一緒にカナダへ渡航し、親子で留学生活をスタートさせた母です。月日が経ち、カナダ生活は6年目を迎えました。今では子どもたちも大学生となり、それぞれの道を歩んでいます。
息子が12歳の時、カナダに留学するという大きな決断をしました。その時の彼はまだまだ小さく、未来に対する期待よりも不安の方が大きかったはずです。18歳になった今、彼は5年間の経験を通じて、私たち家族に驚きと感動を与え続けています。
今回は、留学してからの彼の成長と挑戦の物語を、母親としての視点からお伝えしたいと思います。
厳しいスタート:見えなかった未来
留学前の彼は、インターナショナルスクールで常に成績が最下位でした。どれだけ頑張っても、周りの友達が次々と結果を出す中で、彼だけがいつも取り残されているように感じていました。
そんな彼とカナダへと旅立った時、私も正直、彼が新しい環境でやっていけるかどうか、不安でいっぱいでした。
カナダに到着してすぐに、彼は予想以上の壁に直面しました。日本で何年も学んできた英語が、まったく通じない現実に打ちのめされたのです。
授業中、先生の言葉の全ては理解できず、友達ともうまくコミュニケーションが取れない彼は、毎日家に帰るたびに涙を流していました。彼の小さな肩にかかるプレッシャーと孤独感を思うと、親として胸が締め付けられる思いでした。私はその度に、ここに来た事が正しかったのかと何度も悩みました。
人間関係の試練と大切な学び
彼は、新しい環境でも努力していれば自然と友達ができると信じていたと言います。実際、その信念は正しかったのです。カナダでもすぐに友達ができました。
しかし、彼はそこで学んだのは、友達を作ることよりも、その後の選択の大切さでした。カナダには多様なコミュニティがあり、その中には決して健全とは言えないものも存在します。
息子の周りには、危険な誘惑が日常的にありました。タバコやアルコール、そしてさらに危険なものまで。誘惑に負けず、自分を見失わずに学業に専念することが、彼にとって大きな試練となりました。
仲良くなった友人の悪い誘惑にも流される事なく、それらを知った息子は、適度な距離を保ったりして、上手くこなしていました。こういった類いの事は、親として心配でしたが、信じるしかないんです。これは日本に住んでいても同じ事が言えると思います。
彼はまた、同じ学校に通う日本人留学生たちとの交流を最小限に抑えるという選択をしました。それは、現地の環境に完全に適応し、自分自身を試すためでした。それでも、彼は留学生代表としての役割を担い、他の留学生と現地の生徒たちが交流できる場を設けるなど、コミュニティに積極的に貢献していました。
このような経験を通じて、彼は人間関係の難しさと、それを乗り越える力を身につけました。これって、大人になっても大切な力だと思います。
学業と自己発見の旅
努力を重ねるごとに学業の面でも、彼は自分なりの道を見つけることが出来てきました。
初めは授業についていくことすら難しかった彼が、次第に自分に合った勉強法を見つけ、成績をどんどん上げていきました。
彼は単に勉強時間を増やすだけではなく、自分にとってどのような学び方が最も効果的かを研究したと言っていました。
(ちなみに私はそのような研究をした事がないので。。。しようとも思った事もないので。。。(−_−;))
試行錯誤の末、彼は効率的に学び、ビジネスと数学という強みを見つけました。
彼が特に誇りに思っているのは、学校の購買部を運営する機会を得たことです。彼はその運営において最高責任者となり、学校史上最高の売上を達成しました。彼の目には、ただの数字以上のものが映っていたに違いありません。それは、自分が成し遂げた成功の証であり、自信へと繋がる大切な経験だったのです。
また、彼は高校1、2年生の頃にほとんどの単位を取り終え、残りの時間を有効に使うことができました。
部活と趣味のバランス
学業に力を注ぐだけでなく、息子は様々な部活動にも参加しました。
水泳、長距離走、ダンス、そしてアルティメットフリスビーといった活動を通じて、彼は心身のバランスを保ち続けました。
また、筋トレと、折り紙(笑)という趣味も、彼の生活に楽しみとリズムをもたらしています。のび太くん位上手です(笑)
頑張る理由とモチベーション
息子がどんなに困難な状況でも頑張り続けることができる理由、それは彼の中にしっかりとした目標とモチベーションがあるからです。
彼は「頑張らない理由がない」とよく言います。毎年一度の日本への帰国が彼の大きなモチベーションであり、その時は学業のことを一切考えず、ただ遊びに集中しています。帰りが遅くなっても、遊んでばかりでも、好きな事を好きなだけさせてあげます。それが、彼にとってのエネルギーの源であり、頑張り続けるための活力となっているのです。
そして、彼が特に大切にしているのは、亡くなったじいちゃんの言葉です。「じいちゃんはいつも俺にふざけてばかりだったけど、最後に会ったとき、『頑張れ』って言ってくれた。その言葉が、今も僕を励ましているんだ」この言葉が、彼にとってどれほどの力となっているかを思うと、私の心も温かくなります。
また、彼はこうも言ってくれます。「パパとママにこれだけの挑戦をさせてもらっているから、将来は必ず成功して恩返ししたい」
友達と遊びたい気持ちや、ゲームをしたい誘惑もあるけれど、「努力しなかった時に後で後悔するのが嫌だから、今は頑張るんだ」と彼は決意しています。
ホント泣ける(T . T)
まとめ
息子がカナダで過ごした高校生活は、まさに挑戦と成長の物語でした。
彼が直面した困難や試練は決して少なくありませんが、そのすべてを乗り越え、自分自身を見つけ出すことができました。この経験が、彼の未来を切り開く大きな力となることを願っています。
カナダの環境が、息子と娘の努力をしっかりと認めてくれて、頑張る二人を応援し続けてくれました。努力すれば努力した分だけ、きちんと答えてくれる教育がここにはあります。出る杭は打たれません!
母としては思春期の二人で大変だと思い悩む事はもちろんありますが、どんなに大変だと思っていても、子供は子供で日々色々な事を学んでいます。息子や娘が変わらずこれからもその決意と情熱を持ち続け、さらに大きな成長を遂げてくれることを信じています。
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